訪問医療マッサージの利用で受けられるサービス内容と医療保険について
訪問医療マッサージを利用する場合、どんなサービスが受けられるのでしょうか。また、医療保険や介護保険適用が可能かどうかも気になるところです。この記事では、そんな皆様の疑問にお応えできるように具体的なサービス内容、保険の適用について解説します。
訪問医療マッサージで受けられる具体的なサービス内容
訪問医療マッサージとは、「関節拘縮」や「筋麻痺」により一人での歩行がままならず、通院できない高齢や身体の不自由な方が、自宅や施設で受けられるマッサージサービスのことです。マッサージは国家資格「あん摩マッサージ指圧師」を取得した施術者が行うので安心です。
訪問医療マッサージで行われるサービスは以下の通りです。
1.あん摩
2.マッサージ
3.指圧
4.機能訓練
それぞれの内容を見ていきましょう。
中国から伝わったあん摩
あん摩は中国から伝わった手技療法です。身体の不調部分に手で触れたり、押したり、揉んだり、叩くなどの方法で刺激を与えて施術することにより、患者の日常生活動作の向上を図る施術です。
ヨーロッパの影響を受けたマッサージ
マッサージはヨーロッパから伝わった施術で、皮膚から心臓にかけて行う手技療法です。皮膚に刺激を与えて、血液やリンパの流れを正常な状態に導きます。
日本独自の指圧
指圧は指や手のひらで行う手技療法で、日本で考えられました。体に圧力を加えたり、ゆっくりと押したり、素早く押すなど、患者の状態に応じて施術します。
歩行や起き上がりなどの機能訓練
機能訓練は、日常生活動作の中で生じる基本的な動作を改善したりするための訓練です。機能訓練とリハビリは厳密には違いますが、リハビリと呼ばれることも多いようです。
訪問医療マッサージで医療保険は利用可能
訪問マッサージは、医師が必要性を認めた場合、医療保険で利用することができます。
施術を受けた人が払うのは、治療のためにかかった費用の1~3割です。75歳以上は1割負担、74歳以下は2割、所得がある場合は高齢者でも3割負担となります。
例えば、80歳のAさんが5回施術を受けた場合を見てみましょう。
・Aさん80歳 要介護2
・パーキンソン病
・施術料:350円×5=1,750円
・往療料:2,300円
・合計:4,050円
・負担額:1割の405円
訪問医療マッサージでは医療保険の他に介護保険も併用できる
訪問医療マッサージは、医療保険で受けられるサービスです。介護保険サービスを受けている人でも医療保険で受けることはできますが、介護保険の適用は出来ません。
仮に要介護認定を受けている76歳の方ですと、医療保険の適用でかかった施術代の1割負担で訪問マッサージを受けられます。ただし、医師が必要と認めた場合です。
・Bさん 76歳 要介護2
・脳梗塞の後遺症で歩行が困難、認知症
・施術料:350円×4=1,400円
・往療料:2,550円(4km超)
・合計:3,950円
・負担額:1割負担で395円
今回のまとめ
訪問医療マッサージは、医師が治療のために必要と認めた場合に受けられるサービスです。あん摩マッサージ指圧師が自宅や施設を訪問してマッサージを行います。行う施術は、あん摩、マッサージ、機能訓練で症状に合わせた施術を行うことで、関節可動域を拡大・筋力増強するなど、日常生活動作を向上させるのです。
施術にかかる費用は、医療保険が適用されますが、介護保険での適用はできません。ただし、介護保険サービス利用者でも、医療保険を使ってサービスを受けられます。