訪問医療マッサージの施術者はどのような資格を所持している人物?
高齢社会の進行に伴い、訪問医療マッサージの需要は年々高まっています。訪問医療マッサージは自宅にいながら関節拘縮や筋麻痺に対してマッサージを受けられることが魅力ですが、施術をするのはどのような資格を持つ人なのでしょうか。
利用者の身体の状況を把握した上で適切なケアを行う能力が求められるため、施術者には専門的な知識や技術が必要です。ここでは、訪問医療マッサージの施術者の資格などについて詳しくご紹介します。
訪問医療マッサージを受ける場合は国家資格を持っている施術者がおすすめ
訪問医療マッサージを受ける際は、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」の資格を持つ人に施術してもらえるか確認することをお勧めします。当然ですが、無資格者よりもきちんと専門知識やスキルを身につけた有資格者の方が技術面で安心して任せることができます。
ただし、あん摩マッサージ指圧師の資格を持っている人でも、中には経験が浅い施術者もいるでしょう。そのため、しっかりと施術による効果を実感したい人は、施術の体験を受けて施術者の腕や人柄を確認することで、どの訪問医療マッサージを利用するのか選択する際の判断材料にできます。
あん摩マッサージ指圧師の国家試験の内容とは
あん摩マッサージ指圧師は国家資格です。具体的に、どのような内容を学んだ人が資格を取得するのでしょうか。ここでは、あん摩マッサージ指圧師の国家資格の内容をご紹介します。試験内容は以下の通りです。
・医学概論
・衛生学・公衆衛生学
・関係法規
・解剖学・生理学・病理学
・臨床医学総論・各論
・リハビリテーション医学
・東洋医学
・経路経穴
あん摩マッサージ指圧師は、医師以外でマッサージを治療目的で行える唯一の国家資格です。人の体に直接触れ、身体機能の状態を理解した上で必要な施術を提供するため、基本的な人の体の構造や機能、解剖の他、病気の仕組みなどについての知識も習得しなければなりません。
また、病気の予防の観点から衛生学を学ぶ他、伝統的な東洋医学、体のツボや巡りを学ぶ経路経穴についての知識も深めます。さらにあん摩マッサージ師は、骨折や脱臼を起こしている部分に触れてはいけないなど、業務を行う上での注意点や禁止事項が法律で定められており、関係法規に関する理解も重視されます。
資格に応じた団体に加入している施術者が多い
あん摩マッサージ指圧師は、個人で事業を行っている場合もありますが、各団体に入会していることが多い傾向にあります。団体によって提供するサービスは異なりますが、施術者側には主に以下のようなメリットがあります。
団体が医療費の支給申請書作成や申請業務を代行してくれる
訪問医療マッサージは、公費負担で受けられるサービスのため、行政関係へ提出するための資料作成や申請手続きを行う必要があります。
あん摩マッサージ指圧師として働きながら、これらの事務処理や手続きを行うことは簡単ではありません。団体に加入することで申請業務を代行してくれるため、仕事の負担を減らせるというメリットがあります。
マッサージ賠償責任保険に加入することができる
あん摩マッサージ指圧師が各団体に加入することで、賠償責任保険に加入できる場合があります。保険に加入しておくと、万が一施術を受けた人との間でトラブルが生じた場合にも補償を行うことができます。
各種セミナーを受けることができる
協会や団体に加入していると、各種セミナーを受ける機会を得られます。そのため、業界の最新情報や技術などを知ることができ、現場での実践に役立てることができます。
今回のまとめ
訪問医療マッサージの施術者は、あん摩マッサージ指圧師の資格を保持していることが必須です。医師以外の資格で唯一、対象者に対してマッサージを治療目的で行える職業なので、対象者の身体の状況を把握し、必要となるケアを選択して実施する専門的な能力が求められます。
また、施術者は団体や協会に入会し、必要なサポートを受けながら施術を行っている場合がほとんどのため、施術を受ける人にとっても安心でしょう。自宅にいながら、専門的なケアを受けられる訪問医療マッサージの導入を、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。