2023.01.11
コラム

便秘気味の人にもおすすめの訪問医療マッサージ

訪問医療マッサージと聞くと、医療リハビリの一環として脳血管障害やパーキンソン病の後遺症において効果を発揮するものと考える方もいらっしゃるかもしれません。確かにそのような特定の症状が認められる場合に施術が可能となりますが、実は便秘で悩んでいるという方に対しても良い効果が期待できるのです。
ここでは、訪問医療マッサージと便秘の関係性について詳しくご紹介します。

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【目次】
<a href="#1">1.訪問医療マッサージで行う腹部マッサージは便秘解消に効果的</a>
<a href="#2">2.マッサージによって腸に良い刺激が入る</a>
<a href="#3">3.腹式呼吸を併用すれば訪問医療マッサージの効果が高まる</a>
<a href="#4">4.今回のまとめ</a>
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<h3 id="1">訪問医療マッサージで行う腹部マッサージは便秘解消に効果的</h3>
在宅療養や老人ホームで生活している方は、病気や活動量の減少など、さまざまな影響により便秘の症状が出ることも少なくありません。特に寝たきりの方は活動量がぐんと減ってしまいますので、便秘傾向になる方も多いのです。
訪問医療マッサージの施術の1つにある腹部マッサージは、便秘解消への高い効果が期待できます。インターネットなどで便秘改善のためのセルフのマッサージ方法もたくさん紹介されていますが、素人がやるとうまくいかないことも珍しくありません。知識を身につけた施術者に腹部マッサージをしてもらうことで、より便秘改善に対しての効果が期待できるのです。
在宅療養をしている方の場合は、医師から便秘薬の処方を受け対応しているというケースも多々見受けられます。訪問医療マッサージを受けるには医師の同意書が必要ですが、訪問医療マッサージで腹部のマッサージもあわせて施術することで自然と改善できるケースもあります。

<h3 id="2">マッサージによって腸に良い刺激が入る</h3>
訪問医療マッサージにおける腹部マッサージでは、体に直接触れながら腸の走行にしたがってアプローチをしていきますので、腸に適切な刺激を与えられます。また、腹部に直接アプローチしない場合でも、下肢や体幹の緊張を和らげてあげることで、腸が動きやすくなります。
腹部マッサージでは直接体に触れながら施術をするだけでなく、蒸しタオルなどを使った温罨法(おんあんぽう)で腹部を温めることもあります。手からの刺激だけでなく温度からの刺激も腸に良い影響を与え、便秘解消につながる可能性もあるのです。
腸の走行や刺激すべき部位を熟知している施術者に依頼すれば、より効果が実感できるかもしれません。

<h3 id="3">腹式呼吸を併用すれば訪問医療マッサージの効果が高まる</h3>
腹部マッサージだけでなく腹式呼吸を組み合わせることで、さらに訪問医療マッサージの効果が期待できます。
腹式呼吸とは、まず空気を入れ込むイメージで鼻から息を吸い込みお腹を膨らませ、その後ゆっくりと口から息を吐いてお腹をへこませる呼吸方法です。この腹式呼吸を腹部マッサージの前に行えば、お腹を大きく動かせるため腸に適度な刺激を加えたり、お腹周囲の筋肉を緩めたりできます。さらに、腸がしっかり動いていているマッサージ後にも複式呼吸を行えば、より刺激を与えることが可能です。
「腹式呼吸のやり方が分からない」「病気によって腹式呼吸ができない」という場合でも、訪問医療マッサージの施術者が個々の状況に合わせ、最適な呼吸方法を教えてくれるため、無理なく取り入れられるでしょう。

<h3 id="4">今回のまとめ</h3>
医療マッサージによる腹部マッサージは腸に刺激を与えられるため、便秘の解消が期待できます。腹部を直接マッサージするだけでなく、腹部周りをマッサージしたり、体幹マッサージを組み合わせたりすることで、便秘の改善につなげられるかもしれません。
訪問医療マッサージを活用すれば、腹部マッサージを温罨法や腹式呼吸と組み合わせて行えますので、便秘が気になるという方は活用してみてはいかがでしょうか。
現場では、訪問看護さんによる便秘のケア計画に基づいて施術を行います。