脳卒中の後遺症の症状と訪問医療マッサージの適応範囲について
脳の血管が詰まる脳梗塞は、脳出血と共に介護が必要になる病気の一つです。いずれも脳の機能障害が起きるので症状や後遺症が似ています。そのため、脳梗塞と脳出血は、まとめて「脳卒中」と呼ばれてきました。
ここでは、脳梗塞を中心とした脳卒中後遺症の症状と、訪問医療マッサージでできる施術や目指せることについてご紹介します。
脳梗塞の後遺症と考えられる症状について
脳の血管が詰まって起きる脳梗塞は、血管が詰まって血液が流れなくなり脳の組織が壊死を起こす病気です。そのため、脳梗塞を起こした部位によって、手足を動かす運動機能、言葉を理解したり話したりする言語能力や認知能力、視覚・聴覚・嗅覚などの感覚機能など、さまざまな障害が後遺症として残る可能性があります。身体能力に異常がなくても、記憶や注意力などに影響が出る高次脳機能障害も、脳梗塞後遺症の一つです。
脳梗塞で手足の麻痺が残ると、立ったり座ったり、移動したりする際にスムーズに体を動かせなくなります。動かないでいると筋力が衰えてしまいますし、頑張って動いたとしてもバランスがとれないため、転倒して骨折するなどの二次障害につながりかねません。視野が狭くなったり二重に見えたりすることもあるため、生活において注意が必要となる病気です。
訪問医療マッサージでは関節可動域の拡大が期待できる
脳梗塞後遺症で麻痺の残った側の手足は、動かしにくくなります。力が入らないため手足自体を重く感じたり、痛みや痺れなどを感じたりすることもあるのです。反対に力を抜けない状態になる緊張型の麻痺もあります。いずれの場合も麻痺側をあまり動かせなくなるため筋力が衰え、関節も固まってしまいやすく、動かせる範囲がさらに狭くなってしまうのが難点です。
訪問医療マッサージは、脳梗塞後遺症で関節可動域が狭まり、リハビリテーションを必要とする方を対象に施術しています。
リハビリテーションに訪問医療マッサージを加えると、関節可動域が広がりやすくなることが期待されます。麻痺している側を工夫して使いながら整容や排せつなど、自分で行える動作を増やしていくことで、生活の質を向上させることが目標です。
訪問医療マッサージでは歩行訓練や筋力トレーニングも実施可能
日常の身の回りの動作を自分でできるようにするためには、関節可動域を広げるのと同時に筋力をつけるトレーニングも必要です。訪問医療マッサージでは、「自分で食事を摂る」「自分でトイレへ行く」などの目標に合わせて内容が決められます。歩行訓練や筋力トレーニング、ストレッチなど、身体の状態に合わせて施術し、機能維持や改善を目的としています。
訪問医療マッサージのメリットは、リハビリテーションに通えない人でも、自宅で訪問医療マッサージの施術を受けて、日常生活の動作を増やすことが期待できるところです。脳梗塞後遺症のある方への施術は公的医療保険が適用されますので、介護保険のサービス利用限度額が気になる方も利用しやすいというメリットもあります。
今回のまとめ
脳梗塞は、詰まった血管の部位によってさまざまな後遺症が出ます。手足の麻痺も症状の一つであり、麻痺側を動かさなくなることで筋力が落ち、関節も固まって動かせる範囲が徐々に狭くなってしまうのです。訪問医療マッサージは、関節可動域を拡大し自立した生活が送れるようにすることを目標の一つとしています。歩行訓練や筋力トレーニングも合わせて実施でき、医療保険が適用されますので安心して利用してみてはいかがでしょうか。