訪問医療マッサージと訪問リハビリの利用方法を含めた違いについて
訪問医療マッサージと訪問リハビリの両者は、適用となる保険の種類や対象者、施術者の資格などに違いがあります。また、両者は併用することもでき、うまく組み合わせることで日常生活動作の向上などの効果をより高めることができるかもしれません。ここでは、利用方法も含め、両者の違いについて詳しくご紹介します。
1.訪問医療マッサージと訪問リハビリには適用できる保険に違いがある?
2.訪問医療マッサージは通院不可の方の施術のため、訪問リハビリは自立生活に戻るために行う
3. 訪問医療マッサージと訪問リハビリは内容に違いはあるが同時併用することもできる
4.今回のまとめ
訪問医療マッサージと訪問リハビリには適用できる保険に違いがある?
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が、自宅や施設でリハビリを実施する訪問リハビリと訪問医療マッサージでは、適用となる保険の種類が異なります。それぞれの保険の種類について見ていきましょう。
訪問医療マッサージ
訪問医療マッサージで適用となる保険は医療保険のみです。介護保険が適用されるわけではないため、介護認定の有無は関係ありません。そのため、高齢者だけでなく若い人でも条件に該当すれば利用することができます。
訪問リハビリ
訪問リハビリで適用となる保険は、主に介護保険です。
要介護認定を受けている場合には介護保険の適用が優先となりますが、①65歳以上で要介護認定を受けていない場合や、②40歳以上65歳未満で特定疾病に該当し、要介護認定を受ける場合は医療保険の適用となります。
訪問医療マッサージは通院不可の方の施術のため、訪問リハビリは自立生活に戻るために行う
訪問医療マッサージと訪問リハビリでは施術の目的が異なります。それぞれの目的について詳しく見ていきましょう。
訪問医療マッサージの目的
訪問医療マッサージは、寝たきりとなった人や歩行が難しく通院できない人を対象とし、関節可動域の拡大や、日常生活動作の向上などを目的に施術されます。寝たきりなど自力で動くことが難しい状態が続くと、関節のこわばりや拘縮が進行して生活の活力も損なわれてしまう可能性があるため、患者様ごとの生活の目標に応じて施術を行います。
訪問リハビリの目的
訪問リハビリは、要支援や要介護認定を受けた人が日常生活動作をスムーズに行うことや、身体機能を回復することなどを目的に実施されます。
訪問リハビリでは、座位や立位、歩行、寝返りなどの動作、嚥下訓練などを行い、日常生活動作がスムーズに行えるようサポートします。
訪問医療マッサージと訪問リハビリは内容に違いはあるが同時併用することもできる
訪問医療マッサージと訪問リハビリは、個人の状況に応じて同時に併用することが可能です。ここでは併用のメリットについてご紹介します。
併用で段階的に身体機能の回復を目指せる
例えば、疾病によって関節の可動域が制限されている場合には、まず訪問医療マッサージを導入した方が良い場合があります。訪問リハビリと訪問医療マッサージと併用することで、徐々に関節可動域を拡げ、無理のない範囲で日常生活動作の向上を目指すことができます。
介護保険の利用限度額が上限に達したら訪問医療マッサージも
訪問リハビリは介護保険の適用が基本となりますが、利用限度額が上限に達していて、利用できないという人もいるでしょう。その場合は医師の同意のもと、医療保険を適用して訪問医療マッサージを利用することができます。
介護保険の利用限度額の関係でリハビリを断念せざるを得ない場合でも、訪問医療マッサージで日常動作の向上を目指すことができるでしょう。
今回のまとめ
訪問医療マッサージと訪問リハビリでは適用となる保険の種類や施術の目的、対象者の条件などに違いがあります。また基本的に介護保険の適用となる訪問リハビリで、利用限度額が上限に達している場合に、もっと日常生活動作の向上を目指したいというときには医療保険の適用で訪問医療マッサージを利用することが可能です。
両者のサービスは高齢社会の進行とともにますます需要が高まっています。それぞれの違いを知って、効果的な利用をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。