鍼で血管や神経を傷つけることはない?訪問鍼灸のよくある疑問
訪問鍼灸とは、訪問医療マッサージと同じように、リハビリテーションを必要とする患者様に国家資格を持つ施術者が訪問をして鍼灸を行うことを指します。鍼灸はマッサージとは違い、鍼で血管や神経を傷付けてしまうのではないかと不安になる患者様やご家族様も少なくありません。
ここでは、訪問鍼灸を受ける前に知っておきたい、よくある質問をご紹介します。
1.訪問鍼灸の鍼で血管や神経が傷つくことは基本的にない
2.鍼に対する恐怖心や不安感が強い場合は刺さない鍼(てい鍼)がおすすめ
3.刺す鍼(毫鍼)と刺さない鍼(てい鍼)の違いとは?
4.今回のまとめ
訪問鍼灸の鍼で血管や神経が傷つくことは基本的にない
訪問鍼灸を検討される患者様からの最も多い質問は「鍼で血管や神経を傷付ける恐れはないのか」です。やはり、鍼灸と言うと、先端の尖った鍼を体内に入れていくイメージがあるようですが、実はそうではありません。
基本的に無痛ですが、毛穴に刺さった場合には一瞬チクッとすることがあります。
鍼灸用の針は注射針とは違い、体内の血管や神経を押しのけるように体内に入り込みます。血管や神経は体内に浮かぶように存在しているため、鍼が当たったとしても神経や血管は逃げていくのです。
まれに、鍼が血管に当たり少量の血が出ることがありますが、血が止まらなくなることは基本的にありません。しかし、中には薬の影響で出血が止まらない事もあるため、問診時に必ず服用している薬は申し出るようにしましょう。
また、神経に鍼が当たると一瞬電気に触れたようなパリッとした感じを受けることがありますが、鍼を抜くと症状は治まりますので安心してください。
鍼に対する恐怖心や不安感が強い場合は刺さない鍼(てい鍼)がおすすめ
刺さない鍼「てい鍼」とは一般的に鍼灸で使用されている鍼とは異なり、先端が丸い棒のようなものを使用して施術を行います。
素材はチタン製が多いですが、金や胴、ステンレスのてい鍼もあり、片手で持てる鉛筆やボールペンのような形に近いものです。
てい鍼での施術は、全身の皮膚やツボ、トリガーポイントと言われるひどい痛みや腫れを起こす原因となっている箇所を、てい鍼で刺激して、身体の不調を改善していく施術方法です。
トリガーポイントは主に筋肉や筋肉を包む膜、腱、靱帯、骨を包む膜にできることが多く、トリガーポイントができるとその箇所から離れた箇所に痛みが出ることもあります。
てい鍼では、鍼を刺さないため痛みがなく、服を着たままでも施術を受けることが可能です。さらに、小さなお子様や成長段階にある小中学生にも、大人と同じように施術ができるのは、大きなメリットだと言えるでしょう。
刺す鍼(毫鍼)と刺さない鍼(てい鍼)の違いとは?
次に、刺す鍼とてい鍼のどちらが良いのかと迷った時のために、それぞれの違いを見ていきましょう。
鍼
まず、鍼は疾患によって施術内容を変えなければならず、また、施術前に脈や舌、腹の健康状態を確認してから施術を行います。
鍼を直接皮膚の上から刺すため、少し痛みを感じることがあったり、年齢や性別によっては鍼がさせない箇所がありますが、身体の痛みなどを改善する効果が期待できます。
てい鍼
肩こりや頭痛、腰痛等、どのような疾患でもほとんど同じ施術ができ、皮膚の反応を見て全身の状態を把握していく施術です。服の上からでも施術が可能で、皮膚を傷付ける心配もありません。さらに、性別や年齢を問わず施術ができ、眼球以外はほとんどの箇所で施術が可能なのが大きな特徴です。
今回のまとめ
訪問鍼灸には直接皮膚に鍼を刺す方法と、てい鍼を用いて施術を行う方法があります。それぞれに特徴があり、施術をする際のアプローチの方法が少し異なりますが、どちらも全身の361ヶ所あるツボを刺激して身体の不調を改善する効果が期待できるものです。どちらの方法を選ぶかは施術される方の様子を見ながら、選ぶようにしてください。