2023.01.11
コラム

訪問医療マッサージで嚥下障害を改善できる?具体的にできることとは?

訪問医療マッサージと聞くと、筋肉のこわばりや脳血管障害の後遺症を持つ方に対応するものと考える方も少なくありません。実はそれだけでなく、飲み込みの機能である嚥下(えんげ)に対しても訪問医療マッサージによる施術でアプローチすることが可能です。
ここでは、訪問医療マッサージでどのように嚥下機能障害にアプローチするのか、詳しくご紹介します。

病院で嚥下障害の検査を受けてから訪問医療マッサージの可否を判断する

訪問医療マッサージを受ける場合には医師からの同意書が必要です。嚥下機能が低下していると感じた際、実際に飲み込む機能が正常なのかどうか、一度、病院で嚥下障害の有無について検査を受けなければなりません。
嚥下障害の検査はさまざまなものがあり、クリニックや診療所では検査できず、大きな病院でなければ検査ができないケースもあります。
嚥下機能は病気や高齢になるととても重要であり、嚥下機能の低下は誤嚥性肺炎につながる可能性も少なくありません。
検査の結果、飲み込む機能は問題ない場合は、食事の際の姿勢が原因のこともあります。
歩行が難しかったり、在宅療養中だったりして、検査を受けに行くのが難しいという場合には、まずは主治医に相談してみることをおすすめします。

訪問医療マッサージで飲み込む筋肉にしてアプローチ

嚥下障害に対応する訪問医療マッサージでは、食べ物を飲みこむ時に使う首回りの筋肉に対して、アプローチをしていきます。
嚥下障害のマッサージ施術は、かなり繊細な技術と経験が必要となります。
万が一誤嚥をしてしまってもすぐに食べ物を摘出できるように、呼吸訓練をして強い咳が出せるようにアプローチするなど、多角的に嚥下障害を改善できるような施術を行っていきます。
医療機関に入院していた頃はリハビリで行っていたけれど、自宅に帰ってからは全くできていないという方にとっては、訪問医療マッサージによる施術が嚥下機能低下防止をしていくきっかけになるかもしれません。

訪問医療マッサージの「ポジショニング」で飲み込みやすい姿勢に導く

嚥下機能を改善するには口や喉、舌の機能を高めれば良いと思う方も少なくないでしょう。しかし、それだけでは嚥下機能全般の改善にはならず、誤嚥のリスクなどが潜んでいます。トレーニングやマッサージで口や喉、舌の機能にアプローチしつつ、食べ物を飲み込みやすい姿勢、ポジショニングを意識することが重要なのです。
もちろん「自分で姿勢を維持できない」「四肢の筋力が低下してうまくポジショニングをとれない」という方もいらっしゃいます。訪問医療マッサージでは、このポジショニングを医療的な観点や解剖学、運動学などの観点からもアプローチしていきます。
ポジショニングで飲み込みをしやすい姿勢に導きつつ、本人や家族にもその方法を伝えることで、誤嚥を予防しながら安心して在宅生活を送れるでしょう。

今回のまとめ

訪問医療マッサージでは、飲み込みに対する喉や口、舌の機能改善を期待できるだけでなく、姿勢に対してもアプローチをしていきます。家族のみでは難しい専門的、総合的観点でアプローチしてもらうことで、嚥下機能の低下の予防や改善へ繋がるでしょう。
訪問医療マッサージで嚥下機能を改善していきたいとお考えの方は、まず医療機関で嚥下障害があるかどうか診断してもらった上で検討してみてください。