訪問医療マッサージの費用に関係する介護保険と医療保険の違い
訪問医療マッサージを利用する際に、保険が適用できるかが気になる方は少なくありません。公的な保険には「医療保険」と「介護保険」が挙げられますが、それぞれどのように違うのでしょうか。また、訪問医療マッサージではこれらの保険を適用できるのかという点も気になるところです。
ここでは、訪問医療マッサージの費用に関係する、医療保険と介護保険の違いについて解説します。
1.保険の目的は訪問医療マッサージによる金銭の負担を軽減すること
2.介護保険と医療保険は原則として併用できない
3.公的な保険で不足する補償をカバーするのが民間の医療保険
4.今回のまとめ
保険の目的は訪問医療マッサージによる金銭の負担を軽減すること
訪問医療マッサージは、「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格を持つ施術師が訪問し、関節可動域の維持や拡大や血行不良の改善などを目的としてマッサージを行うサービスです。
訪問医療マッサージは、歩行困難や寝たきりなどの理由で通院ができない方に対する「医療行為の一部」であるため、医師が医療上でマッサージの必要性を認めていれば訪問医療マッサージに医療保険を適用できます。
訪問医療マッサージに医療保険を適用する目的は、通常の治療などと同様に利用者の自己負担額を軽減することです。
介護保険と医療保険は原則として併用できない
日本の公的保険には、医療保険の他に「介護保険」があります。介護保険は、介護サービスを受ける際に適用される保険です。そのため、要介護認定を受けている方が訪問医療マッサージを希望する際、介護保険と医療保険を併用できるかも気になるでしょう。
介護保険と医療保険は、原則併用できません。それぞれの保険は目的と保障内容が異なり、受けたサービスによってどちらが適用されるかが決まるからです。
医療保険に加入している上で要支援・要介護認定を受けている方は、どちらの保険も利用可能ですが、原則としては介護保険が優先されます。ただし、訪問医療マッサージなど一部のサービスには医療保険が適用されます。
公的な保険で不足する補償をカバーするのが民間の医療保険
公的な医療保険や介護保険では保障が十分でないと考えて、民間の保険に加入している方も少なくありません。
公的な保険は、一律もしくは所得に応じて保険料が決められており、誰がどのようなサービスを受けても給付内容は原則同じです。
一方、民間の保険は任意で加入し、年齢や性別、職業に応じて保険料が決まります。また、保障の内容も契約者が自由に決めることが可能です。しかし保障範囲が決められているので、症状によっては公的な医療保険が適用されまず、全額自己負担になることもあるため注意が必要です。例えば医療であれば人間ドックや審美歯科治療など、介護であればおむつなどの消耗品代や福祉用具費などが該当します。
こうした公的な医療保険では賄いきれない費用をカバーするために、民間の医療保険があるのです。
今回のまとめ
訪問医療マッサージでは、医師の同意を得ていれば公的医療保険の適用が可能です。介護保険の限度額を超えている方でも、自己負担額を押さえて受けられます。筋肉の麻痺や関節の拘縮、運動機能障害などの症状でお困りでしたら、ぜひ訪問医療マッサージを利用してみてはいかがでしょうか。