2023.02.14
コラム

訪問医療マッサージとパーキンソン病のオンオフ現象について

パーキンソン病は、脳神経の異常のために身体の半身、あるいは前身に運動障害が表れる病気です。すぐに発病するのではなく、何年もかけてゆっくりと進行していきます。このパーキンソン病を長く患っていると、「オンオフ現象」が見られることがあることをご存じでしょうか。
ここでは、パーキンソン病のオンオフ現象とは何か、訪問医療マッサージでアプローチすることは可能か解説します。

パーキンソン病のオンオフ現象とは

パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質「ドーパミン」が減少し、脳神経からの指令が上手く伝わらなくなって運動調節に支障をきたす病気です。
パーキンソン病の治療では、減少したドーパミンを補う薬物治療を行います。この薬が効くと症状が抑えられている「オン」状態となり、薬の効果が切れると症状が強くなる「オフ」状態になるのです。
しかし、正しいタイミングで服薬しているにもかかわらず、症状の治まり、あるいは強まりが突如現れる状態になることがあります。この状態を「オンオフ現象」と呼ぶのです。

パーキンソン病のオンオフ現象の症状

オンオフ現象が発生した際は、以下のような症状が見られます。

・今まで普通に会話をして食事をしていたのに、急に表情がなくなり、会話していても声が小さくなったり、手足が震えたりしている。
・食べ物が上手く飲み込めない
・外出中に突然動けなくなる、または転んでしまう など

オンオフ現象は薬を飲んだ時間に関係がなく突然起こるため、予測するのが難しいのです。また、1日に何度も起こることもあれば、全く症状が出ない日が続くこともあります。
オンオフ現象の予防と対策としては、医師と相談して「薬の量や種類を調整する」「治療を開始する時から薬の量を控える」といった方法があります。
また、薬の服用が長期間に渡ってきた場合は、薬の服用後の変化をご自身でしっかりと観察し、「効果の持続時間が短くなった」と感じてきたら医師へご相談ください。

パーキンソン病のリハビリと訪問医療マッサージの活用

パーキンソン病の主な症状には、座っていて何もしていないのに手足が震える「振戦(しんせん)」や、筋肉がこわばり身体がスムーズに動かなくなる「筋固縮(きんこしゅく)」、立っているときや軽く押されたときにすぐにバランスを崩してしまう「姿勢保持障害(しせいほじしょうがい)」などが挙げられます。
このようにパーキンソン病は運動障害を引き起こすため、重症になると自力では歩けなくなり、日常生活に介助が必要です。
訪問医療マッサージでは、筋緊張やこわばりを軽減する効果が期待できます。また、マッサージと機能訓練を行うことで、パーキンソン病の前傾姿勢改善効果と残存機能を維持回復の維持快復効果が期待できます。

今回のまとめ

パーキンソン病は運動障害を起こすため、放置すると寝たきりになりかねません。薬で症状を抑えるとともに、筋力や関節など身体機能をできるだけ維持回復する必要があります。できる限り自分の力で日常生活を送るためにも、訪問医療マッサージを利用してみてはいかがでしょうか。