2022.11.12
コラム

パーキンソン病に訪問医療マッサージは効果がある?

訪問医療マッサージは、病気などのさまざまな理由により自力での歩行が難しく、医師が必要と判断した場合に利用できる医療保険適応のサービスです。国家資格保有者が、自宅を訪問して専門的なマッサージを実施します。また、訪問医療マッサージはパーキンソン病にも良いと言われています。具体的にどのような良い影響があるのでしょうか。
ここでは、パーキンソン病と訪問医療マッサージの関係性や効果について詳しくご紹介します。

パーキンソン病とは?訪問マッサージで予防・改善できること

パーキンソン病とは、身体のふるえや筋固縮、姿勢保持障害(転びやすくなること)などの運動症状が見られる病気で、大脳の下にある中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少することで発症します。パーキンソン病の進行で活動量が減れば、ますます筋力低下が進行し、関節や筋肉が固まってしまいます。パーキンソン病の方が、訪問医療マッサージを受け、適度に筋肉や関節を動かすことで、筋緊張やこわばりが軽減し、残存機能を維持回復する効果が期待できます。
またパーキンソン病では、日常生活動作が低下し、便秘を発症するケースも少なくありません。訪問医療マッサージを行って腸の動きを活発に導くことで便秘を解消する効果も期待できます。便秘が続けば、食欲不振→食事の摂取量低下→便秘と負のループに陥る可能性もあるため、訪問医療マッサージを取り入れることをお勧めします。

訪問医療マッサージの利用で睡眠障害やうつ症状の改善も期待できる

パーキンソン病では、病気の進行とともに一日の活動量が減少し、大半をベッド上で過ごすこともあるでしょう。日中寝たきりになってしまうと、昼夜逆転から夜間眠れなくなり睡眠障害を発症するケースも見受けられます。
訪問医療マッサージによって日中の活動量を増やせれば、夜間の睡眠がスムーズになることも期待できます。訪問医療マッサージで筋肉や関節を動かす機会が増えると、活動と休息のバランスが整い、それまで単調だった生活にメリハリが生まれるというメリットもあります。
また、パーキンソン病の症状のひとつに「抑うつ」があります。うつ病を発症しても、病気による症状と見分けがつかないこともあります。訪問医療マッサージの導入によって、適度な運動から脳が刺激され、気分の落ち込みの改善、リフレッシュ効果など精神面へのよい効果が期待できるでしょう。

今回のまとめ

パーキンソン病の方が、訪問医療マッサージを受けることによって、病気の予防や改善、精神面へのよい影響、睡眠障害やうつ病の改善などが期待できます。訪問医療マッサージは医療保険の適応内で利用できるサービスです。医師の同意を得れば利用可能なので、パーキンソン病の方やそのご家族の方は、この機会にぜひ訪問医療マッサージを利用してみてはいかがでしょうか。